日々の生活の中で、ストレスや悩みに押しつぶされそうになることは誰にでもあります。
そんなとき、頼りになるのが「心理職」の存在です。
では、心理職とは一体どんな人たちで、どのような資格を持っているのでしょうか?
「カウンセラー」との違いは何なのでしょうか?
今回は、心の専門家の資格と、信頼できる心理職について詳しくご紹介します。
1.心理的な相談をするときのポイント
心の悩みを相談したいとき、「どの資格を持つ人に相談するか」はとても大切です。
心理的な相談を受ける際は、まずは相談相手が公認心理師や臨床心理士などの資格をもっているかを確認することが重要です。
注意点・・・「カウンセラー=心理職」ではない!
一点注意する必要があるのは、巷で「カウンセラー」を名乗る方が、必ずしも心理職ではないということです。
「カウンセラー」はどのような方でも名乗ることができる名称ですので、「明日からカウンセラーを名乗ろう!」と思えば誰でもカウンセラーになれてしまいます。
「上級XXX」「スーパーXXX」など、一見、公認心理師や臨床心理士よりも専門性が高そうな肩書きで、カウンセラーを名乗っている場合もあります。
もちろん公認心理師や臨床心理士の資格がない方でも、メンタルヘルスについて素晴らしい知見や助言をくださる方は大勢いらっしゃるかと思います。
とはいえ、資格がないカウンセラーに相談したところ、「占いやスピリチュアルに誘導された」という相談者の体験談などもあります。
ご自分の大切な心を本当に預けて話せる人なのか?というのは、慎重に判断する必要があると思われます。
(もちろん、公認心理師や臨床心理士の資格を保有していたからといって全員が高い技能をもっているとは限りません。
ただし、少なくとも洗脳や依存など倫理的な面でのリスクは回避できる可能性が高いことが期待できます。)
2.心の資格にはどんな種類がある?
心理やメンタルヘルスに関わる資格は数多く存在し、例えば以下のようなものがあります:
このように、心理系の資格は多岐にわたりますが、その中でも「公認心理師」と「臨床心理士」は特に信頼性が高い資格だといわれています。
いずれも医療・教育・福祉などの分野で広く認知されています。

また心理相談に付随して、例えばキャリアの相談があればキャリアコンサルタント、福祉の相談があれば精神保健福祉士など、関連分野の資格に幅を広げて相談相手を探してみるのも有効です。
3.メンタルヘルス相談で信頼できる心理資格は、「公認心理師」と「臨床心理士」
心理職の中で、評価されているのが「公認心理師」と「臨床心理士」の2つの資格です。
いずれも専門的な知識と倫理観を持ち、一定の基準を満たして活動しているといわれています。
1.公認心理師とは?
公認心理師は、2017年から運用されている日本で唯一の心理系国家資格です。
国家試験に合格し、文部科学省・厚生労働省が所管する資格として、医療・教育・福祉・司法・産業など、幅広い領域で活躍しています。
国家資格であることから、信頼性・公的性が高く、国の制度の中で役割を果たす心理職といえます。
2.臨床心理士とは?
一方、臨床心理士は国家資格ではないものの、1988年から運用されている歴史ある民間資格です。
日本臨床心理士資格認定協会によって認定され、これまで多くの実績を積み重ねてきました。
臨床心理士は、大学院レベルの専門的な訓練と実習を修了し、厳しい認定試験に合格した専門家であり、長年にわたり信頼を築いてきた資格です。
4.2つの資格に共通すること
1.専門性の高さ
公認心理師も臨床心理士も、メンタルヘルスに関する専門知識が豊富であることは、共通する特徴です。
例えば公認心理師は、学部と大学院あわせて530時間以上の実習が義務付けられています。
文部科学省および厚生労働省の資料 によると、大学院の実習には医療機関での実習が必須とされており、メンタルヘルスの専門家の養成を目指していることが窺えます。
そしてさらに、一年に一回実施される国家試験に合格しなければなりません。
もう一方の臨床心理士も、民間資格ではありますが高い専門性を有しています。
資格取得には「臨床心理士指定大学院」の修了が必須となっています。
(公認心理師になるには様々なルートが設けられており、実は大学院に行かなくとも資格取得ができるルートがあります。)
もちろん臨床心理士も大学院修了後に資格試験を受験し、合格する必要があります。
さらに、民間資格である臨床心理士には資格の更新制度があり、5年ごとに資格を更新していく必要があります。
一度試験に合格したらそれで終了と言うわけではなく、資格取得後も論文を投稿したり、研修会を受講するなどして、技能や知識をブラッシュアップし続ける必要があります。
こうした鍛錬を乗り越えて、心理職(公認心理師/臨床心理士)は心理学の知識に基づいた分析や助言が可能になります。

2.倫理観の高さ
公認心理師も臨床心理士も、職業倫理(その職業に就いている人が守るべき、倫理的な約束事)が定められている点も特徴です。
公認心理師の倫理については、公認心理師法 や、日本公認心理師協会倫理綱領 などで定められています。
臨床心理士の場合は、臨床心理士資格認定協会により、臨床心理士倫理綱領 が定められています。
こうした法律や綱領があることで、相談する方が守られると言うメリットがあります。
例えば、以下のような点です。
守秘義務の遵守
心理士に話す相談内容は、とてもプライバシー性が高い内容になることが多いです。
そうした相談内容が、どこかに漏れるかもしれないと思うと、安心して相談ができないですよね。
相談の秘密を守ることは、公認心理師や臨床心理士の職業倫理として厳格に定められているため、相談する方は安心して相談をすることができます。
相談者と私的関係をもつことの禁止
専門家である心理職と、相談者様が私的な関係を持つことは禁じられています。
例えば相談を受ける心理職が、相談の時間以外で相談者様と個人的に会ったり、恋愛関係に発展したりすることなどは厳禁です。
心理職が自分の私的な利益のために、相談者様を利用することなどもあってはなりません。
心理相談においては、相談をする側の方が弱い立場に置かれることもあります。
そのような相談の場でも、公認心理師や臨床心理士などの資格取得者であれば、洗脳や依存などのリスクを最小限に抑えられる安心感があります。
自己研鑽も必要
公認心理師や臨床心理士が専門としている心理学は、常に多方面から研究がなされ、日々最新の知見が生まれています。
そのため、公認心理師も臨床心理士も、書籍を読んだり研修会に参加するなどして知識をアップデートし、利用者にとって最適なサポートを提供する必要があります。

5.相談後に確認すると良いポイント
専門資格をもっていることは前提ですが、専門家といえども技能にはもちろん個人差があります。
心理職(公認心理師/臨床心理士)に相談する場合には、相手の分析や助言がしっくり来ているかということも重要です。
研鑽や経験を積んだ心理職であれば、心理学の知見に基づき、あなたがなぜ苦しんでいるかを分析し、どうすれば楽になるかという見通しを提供することができます。
(こうした分析や、見通しをもつ営みを、「見立て」といったりもします。)
心理のプロによる相談の流れや「見立て」について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください
実際に相談をしてみて、「自分のことをよく理解してもらえる」という実感や、「助言が合っている」と感じる時などは、相性の良い心理職と出会えたということかもしれません。
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