自己モニタリング能力を磨こう!~自分の反応に気づき、変える力を身につける

私たちは日々、さまざまな環境からの刺激を受けながら生活しています。

例えば上司の一言、電車の遅延、SNSで目にしたニュースなど、外部からの刺激によって、私たちの内面ではさまざまな反応が起きています。

人の反応には、どんな種類がある?

心理学の中でも「認知行動療法」という分野では、人がそうした刺激を受けたときに、以下の4つの反応を起こすと考えられています。

  • 認知(考え):何をどう捉えるか
  • 感情(気持ち):どんな感情が湧いたか
  • 身体反応:体にどんな変化が起きたか(緊張、動悸、汗など)
  • 行動:どんな行動をとったか

そしてその4つは、お互いに影響し合っているといわれています。

例えば、職場で上司に「その資料、ちょっと分かりにくいね」と言われた場面を想像してみてください。

例えばこんな認知や感情が湧いたりしないでしょうか。

認知:「自分はダメなんだ」「また怒られた」

感情:不安、悔しさ、恥ずかしさ

身体反応:肩がこわばる、心拍が速くなる

行動:無言になる、すぐに謝る、帰宅後に自分を責める

自己モニタリングのすすめ

そこで大切になるのが、「自己モニタリング能力」です。

これは、自分の反応(認知・感情・身体・行動)を意識的に観察する力のこと。

日常の中で、「どんな場面で」「自分にどんな反応が起きやすいか」を観察してみると、だんだんと自分の“反応パターン”が見えてきます。

例えばこんな気づきが得られます。

  • 会議で意見が否定されると、すぐに自分を責めてしまう傾向がある
  • 混雑した場所にいると、イライラしやすくなる
  • 朝の通勤前は、ちょっとしたことで緊張しやすい

「気づき」から「変化」へ

気づくことができれば、変えられる可能性もあります。

ここでのポイントは、「変えやすいところから変える」ということ。

心理学的には、特に「認知考え」と「行動」は変えやすいとされています。

例えば「また怒られた、自分はダメだ」という考え方に気づいたら、「改善点を伝えてくれた」「いつも怒られているわけではなく、褒められたこともある」と捉え直すことができるかもしれません。

緊張すると無言になりがちだと気づいたら、深呼吸をしてから一言「確認させてください」と言うように意識する、などの対応ができるかもしれません。

もちろんそもそも、ネガティブな考えや気持ちを引き起こす「きっかけ」を避けるなど、自分ではなく環境の方を変えてしまうというのも1つの手ではあります。

(例えば苦手な上司を避けるために、部署異動を申し出てみるなど)

小さな変化から始めよう

自己モニタリングは、最初は難しく感じるかもしれません。

でも、習慣にすることで少しずつ自分の内面の動きをキャッチできるようになります。

自分の考えや行動を変えることで、人間関係や自分自身への向き合い方にも変化が起きてきます。

まずは、1日1回、自分の反応(認知・感情・身体反応・行動)を振り返る時間を作ってみてはいかがでしょうか?

「自分って、こんな風に感じてたんだな」と気づくこと。それが変化への第一歩です。

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