先生、この2週間ストレス日記を続けてみて、だんだん自分のパターンが見えてきました

カピバラのカピオは、嬉しそうに報告しました。
セージ先生はにっこりと頷き、地面に1つの図を描きました。
1.CBTの基本モデルとは?(おさらい)

認知行動療法(CBT)では、ストレスや感情の流れをこの図のように整理するんだったね。

例えば、会議で発言を求められることが、“きっかけ”となります。
そして頭の中に『失敗したらどうしよう』という“考え”が浮かぶと、不安な“感情”が強まり、心臓がドキドキする“身体反応”が出て、発言を避ける“行動”につながります。
そして結果として『また言えなかった』と落ち込む、という流れになるのでした。
2.まずはターゲットを絞る
セージ先生は続けて問いかけました。

カピオ、ストレス日記を見てみると、いくつか困っている場面があったよね。どこが一番つらかったかな?
カピオは少し考えてから答えます。
はい…。頼まれごとを断れなかった時や、寝る前に不安が浮かぶこともあります。でも、一番困っているのは“会議や話し合いの場”です。頻度も多くて、強い緊張や不安が出てしまうんです

セージ先生はうなずきました。

なるほど。じゃあ、まずは“会議や話し合い”をターゲットにして取り組んでみよう。全部一気に取り組もうとすると大変だから、困りごとを整理し、優先順位をつけてみるのは良い方法だと思うよ。
3.変えやすいのはどこだったか?

さてカピオ、きっかけ~結果の流れの中で、どこが変えやすいところだったか、覚えているかい?
はい、先生!確か、「認知(考え)」と「行動」だったと思います。


その通りだね!
*おさらい*
もちろん、きっかけそのもの(環境や人間関係)を調整できるならそれも有効です。
しかし、きっかけに対する4つの反応(認知、感情、身体反応、行動)の中では、「認知」と「行動」が変えやすいといわれています。
- 認知を変える → ネガティブな自動思考に気づき、柔らかい考え方に修正できる
- 行動を変える → 小さな挑戦や工夫で、悪循環を断ち切れる
4.コツは“変えやすいところから”

全部を一気に変えようとする必要はないよ。コツは、変えやすいところから、優先順位をつけて少しずつ取り組むことなんだ
なるほど、少し不安はありますが、セージ先生と一緒なら取り組めそうな気がしてきました!

5.次のステップ ― 認知(考え方)を変える練習へ
2週間のストレス日記で「自分のパターン」に気づいたカピオ。
次はいよいよ「考え方を柔らかくする」練習に入ります。

次回は“自動思考”を見つけて、別の見方を試す練習をしてみよう
はい!まずは1番自分が取り組みたい「会議」の場面での、考え方を見直すことから始めてみます!

6.まとめ
- CBTのモデルは「きっかけ → 認知・感情・身体反応・行動 → 結果」の流れで理解できる
- 感情や身体反応は直接変えにくいが、認知(考え)と行動は変えやすい
- コツは「変えやすいところから少しずつ変える」こと
次回からは、「認知(考え方)」に特に着目していきます。